ここは余りにも、広大で、それこそ、無限という言葉が当てはまる場所だった。

 生まれるモノ。
 死ぬモノ。
 そして、また生まれるモノ。

 繰り返される、悠久の法則。

 何故、この様な場所にいるのだろう…
 つい先ほどまでのことを思い出す。


   迫り来るトラック。とっさに隣にいる妹を突き飛ばした。
   驚く妹の顔。
   苦笑いを返す私。

   ―――――お姉ちゃん!!

   最後の声を聞いたとき、体に衝撃が走った。


 あぁ…私は『死んだんだ』…

 呆気ないほど、簡単にその言葉が浮かんだ。
 そう、私は死んだんだ…

 だから、ここに…『帰ってきた』

 『        』

 言葉ではない。
 言葉とは別のもの。
 けれど、確かにそう、ここに来てから感じる『言葉』がある。

 聞こえない声で語られ、見えない文字で綴られる『言葉』。
 それでも、その『言葉』は確かに聞こえ、見えていた。


 不意に世界が金色の光で満たされる。


 その光の中、私は『彼女』を見つけた。

 目を閉じるということを忘れた私は、ただ『彼女』を見つめていた。
 金色の光に包まれた『彼女』と視線が絡まったと瞬間、世界から放り出された。

私もまた、法則の一つ。