「そんなに撫でたら背が縮んじゃう…」


 むすっと膨れた顔に俺は撫でていた手を止め、その手を顎に当てる。


「ふむ…そうか。そりゃ、悪かったな…代わりに、ほらっと」
「わぁっ!ちょっと主!」


 蛍丸の両脇に手を差し入れ、そのまま抱え上げて、肩にのせる。

 慌てて、俺の頭に手をのせてバランスを取る蛍丸。


「いきなりびっくりするな!もうぉ!」
「あっはっは、悪い、悪い。でも、気持ちいいだろ?」


 顔を見なくても、驚いている気配が伝わる。


「ま、まぁね。
 でも、今度からするときは、ちゃんと声をかけてね」
「ま、善処するさ」


 満更でもない蛍丸を肩車したまま、本丸を歩いていたら、今剣にもせがまれたのは、また別の話だ。

誉め方